QNAP ストレージのオンラインRAID容量拡張の操作について
QNAPストレージには オンラインRAID容量拡張 という機能があります。
QNAPストレージの各サービスを稼働させたままHDDを差し替え、RAID容量を拡張する機能です。

注:RAID容量を拡張する際、QNAPがストレージをアンマウントするため、サービスが停止します。
経緯
現時点(2013/12/02)、ファームウェア4.0.2用のマニュアルがリリースされてなく、
マニュアルには書かれてないダイアログが出てきやg・・・出てきてしまうので、
この処理における簡単な操作について、メモ書きします。

なお、この文章について、QNAPさんに問い合わせたりしないで下さい。
この文章は私のメモ書きです。
構成や用途等
数年前よりSS-839 Proを使用していたけれども、少し前にハードウェアの故障と思われる現象で使えなくなりました。

急遽購入店に相談したトコロ、修理に結構な費用と期間がかかりそうだったので、TS-869 Proへ買い替えをしました。
HDDはそのまま差し替えるだけで使えました。
ドライブに対して設定値を保持しているらしいです(どっかに書いてあった)。

そういう経緯があり、TS-869 Proに2.5インチHDDを8本装填して運用しています。

構成:すべて2.5インチHDD
1,RAID 1 1スロット+2スロット(500G x 2)
2,RAID 1 3スロット+4スロット(500G x 2)
3,RAID 6 5スロット~8スロット(250G x 4)
1 500G RAID 1 500G この構成を
切り替える
1 500G RAID 1 500G
2 500G 2 500G
3 500G RAID 1 500G 3 500G RAID 1 500G
4 500G 4 500G
5 500G RAID 6 1000G 5 3000G RAID 6 6000G
6 500G 6 3000G
7 500G 7 3000G
8 500G 8 3000G

  SS-839購入当時にはRAID10をサポートしていなかった為、RAID 6で構築しました。
  5スロットのみ、最近HDDにエラーが発生したため交換しました。
  豪快に引っこ抜き、新しいHDDを差し込んだだけでリビルドされています。

用途:すべて内部向けとして
A,仮想化システムのストレージとして、NFSを公開
B,バックアップサーバーとして、FTPを公開
C,共有フォルダとして、Sambaを公開

ファームウェア:4.0.2

この2.5インチHDDを3.5インチの容量が大きいHDDに交換する計画が持ち上がり、
まずは4本のHDDを購入し現在その準備を進めています。
上記3番のRAID 6 のHDDを、3T(WD30EFRX) x 4に拡張しようとしています。
手順
・コントロール・パネル より、システム設定 > ストレージマネージャを選択し、
RAID管理タブを開きます。
論理ドライブの選択
・拡張したい論理ボリュームを選択し、アクションプルダウンを選択します。
・プルダウンより、容量の拡張を選択します。
論理ドライブに対する操作の選択
・その際、以下の様なダイアログが出現します。
全てのサービスは一時的に停止します。続行しますか?

このダイアログは、マニュアルにはありません。
今この時点、OKを押しても構いません。
戻るボタンが、次の画面にあります。
・交換したいHDDを選択します。
ディスクの選択

この時点ではサービスは止まっていません。
NFSやSamba、FTP等のサービス群は稼働したままです。
・交換可能状態になりました。
QNAPの元まで行って、ディスクの交換をして下さい。
ディスクの交換

この時点ではサービスは止まっていません。
NFSやSamba、FTP等のサービス群は稼働したままです。
・ドライブを装填し、再構築が始まりました。
場合によると思いますが、装填から数分待たないと再構築が始まりません。
ディスクの装填と再構築

この時点ではサービスは止まっていません。
NFSやSamba、FTP等のサービス群は稼働したままです。
・戻るボタンで戻りましょう。
装填するドライブの容量に依りますが、時間が掛かります。
交換画面を出る

この時点ではサービスは止まっていません。
NFSやSamba、FTP等のサービス群は稼働したままです。
容量によりますが、再構築開始から再構築完了まで時間がかかるので、管理画面を閉じても問題ありません。
私は職場から帰る前にドライブ交換を行い、夜間に再構築作業をさせています。
・再構築にかかった時間

ドライブ5:20:53:17 [RAID6 Disk Volume: Drive 5 6 7 8] Start rebuilding.
ドライブ5:01:52:02 [RAID6 Disk Volume: Drive 5 6 7 8] Rebuilding completed.
    =4時間

ドライブ6:20:00:37 [RAID6 Disk Volume: Drive 5 6 7 8] Start rebuilding.
ドライブ6:23:21:28 [RAID6 Disk Volume: Drive 5 6 7 8] Rebuilding completed.
    =3.5時間

ドライブ7:20:48:15 [RAID6 Disk Volume: Drive 5 6 7 8] Start rebuilding.
ドライブ7:00:41:51 [RAID6 Disk Volume: Drive 5 6 7 8] Rebuilding completed.
    =4時間

ドライブ8:19:28:47 [RAID6 Disk Volume: Drive 5 6 7 8] Start rebuilding.
ドライブ8:22:28:56 [RAID6 Disk Volume: Drive 5 6 7 8] Rebuilding completed.
    =3時間

この時点ではサービスは止まっていません。
NFSやSamba、FTP等のサービス群は稼働したままです。
・ひと通りのディスク交換が完了しました。
ディスク交換完了

この時点ではサービスは止まっていません。
NFSやSamba、FTP等のサービス群は稼働したままです。
・とりあえずここで一休み。
次のステップで、サービスが(多分)実際に停止します。
この時点ではサービスは止まっていません。
NFSやSamba、FTP等のサービス群は稼働したままです。
・土曜日深夜~日曜日早朝にかけて、電気設備点検に伴う停電がありました。
ちょうど良いタイミングなので、RAID拡張の残りを行います。
この時点ではサービスは止まっていません。
NFSやSamba、FTP等のサービス群は稼働したままです。
・作業開始前に、念のためバックアップを取ります。
このストレージに対して設定されているバックアップ設定は土曜日深夜~日曜日早朝だったため、
今回の停電時バックアップが取れませんでした。
なので、手動でバックアップジョブを起動してバックアップを出します。
バックアップ

この時点ではサービスは止まっていません。
NFSやSamba、FTP等のサービス群は稼働したままです。
・再びRAID管理からボリュームを選択し、アクションから容量の拡張を選びます。
まだ拡張されてないので、合計サイズ値は小さいままです。
拡張のための選択

この時点ではサービスは止まっていません。
NFSやSamba、FTP等のサービス群は稼働したままです。
・赤字で拡張可能領域が書かれているので、拡張ボタンを押して拡張します。
容量の拡張ボタンを押す

この時点ではサービスは止まっていません。
NFSやSamba、FTP等のサービス群は稼働したままです。
・拡張ボタンを押すと、「拡張を実行しますか?」と聞かれるので
OKボタンを押します。
拡張を実行しますか?

・拡張が開始されました。
容量やスペック、RAID構成によりますが、かなり長時間掛かります。
拡張中...

・拡張にかかった時間

2013-12-15 13:02:58 [RAID6 Disk Volume: Drive 5 6 7 8] Do Raid Size Expansion.
2013-12-15 13:03:02 [RAID6 Disk Volume: Drive 5 6 7 8] Start resyncing.
2013-12-16 04:56:45 [RAID6 Disk Volume: Drive 5 6 7 8] Resyncing done.
2013-12-16 05:50:21 [RAID6 Disk Volume: Drive 5 6 7 8] Restore system default shares.
2013-12-16 05:52:50 [RAID6 Disk Volume: Drive 5 6 7 8] Raid Size Expansion completed.
    =16時間

恐らく、Resyncing done.~Raid Size Expansion completed.の間、
この1時間の間の何処かで停止しています。
結局、最終的な停止時間がどこかを特定できませんでした。
(拡張処理中であるハズの2013-12-15 20:00:00頃でも、接続できていた)
・拡張されました。
拡張結果

おまけの追加拡張
RAID 6構成側の容量が大幅に拡充したので、次はRAID 1側を拡張します。
RAIDを一回作り替え、構成を一新させます。

現構成:
1,RAID 1 1スロット+2スロット(500G x 2)
2,RAID 1 3スロット+4スロット(500G x 2)
3,RAID 6 5スロット~8スロット(3000G x 4)

新構成:
1,RAID 1 1スロット+2スロット(3000G x 2)
3,RAID 6 3スロット~8スロット(3000G x 6)
1 500G RAID 1 500G -> 1 3000G RAID 1 500G -> 1 3000G x x -> 1 3000G RAID 1 3000G
2 500G 2 3000G 2 3000G x x 2 3000G
3 500G RAID 1 500G 3 3000G RAID 1 500G 3 3000G x x 3 3000G RAID 6 12000G
4 500G 4 3000G 4 3000G x x 4 3000G
5 3000G RAID 6 6000G 5 3000G RAID 6 6000G 5 3000G RAID 6 6000G 5 3000G
6 3000G 6 3000G 6 3000G 6 3000G
7 3000G 7 3000G 7 3000G 7 3000G
8 3000G 8 3000G 8 3000G 8 3000G

RAID 1側を一度RAIDリビルドしているのは、HDD換装とデータ移行を並行で進めているためです。
深い意味はありません。
まるっと省略して、換装しました。
・再構築にかかった時間

ドライブ4:20:14:08 [Mirror Disk Volume: Drive 3 4] Start rebuilding.
ドライブ4:06:02:51 [Mirror Disk Volume: Drive 3 4] Rebuilding completed.
    =10時間

ドライブ3:20:23:59 [Mirror Disk Volume: Drive 3 4] Start rebuilding.
ドライブ3:03:52:13 [Mirror Disk Volume: Drive 3 4] Rebuilding completed.
    =7時間

ドライブ2:20:23:19 [Mirror Disk Volume: Drive 1 2] Start rebuilding.
ドライブ2:22:45:06 [Mirror Disk Volume: Drive 1 2] Rebuilding completed.
    =2時間

ドライブ1:19:30:50 [Mirror Disk Volume: Drive 1 2] Start rebuilding.
ドライブ1:21:46:38 [Mirror Disk Volume: Drive 1 2] Rebuilding completed.
    =2時間

何かドライブ4とドライブ5のリビルドに異常に時間がかかっていますが、
原因は不明です。
仮想マシンシステム群のNFSストレージを担っているから、
夜間に書き換え(ゲストのバックアップやウイルススキャン)とかでも走ったかなぁ?
換装済み

・1と2をドロップします。
このいつものダイアログの後、
全てのサービスは一時的に停止します。続行しますか?

この論理ドライブ内の全データが消去されるけれども、良いか?
選択したディスク上のデータとネットワーク共有が全て消去されます。また、ディスクへの接続が切断されます。続行しますか?

という旨のダイアログが出ます。

OKを押すと、削除されます。

・削除にかかった時間

2014-01-11 23:39:35 [Mirror Disk Volume: Drive 1 2] Start removal
2014-01-11 23:43:28 [Mirror Disk Volume: Drive 1 2] Removal completed.
2014-01-11 23:44:14 [Mirror Disk Volume: Drive 3 4] Start removal
2014-01-11 23:46:44 [Mirror Disk Volume: Drive 3 4] Removal completed.
    =1セットあたり2~4分くらい

この間、ストレージ及び全サービスは停止します。
受け側では、以下の様なログが出てました。(VMware vSphere Hypervisor ESXi 5.1)
サーバ との接続は切断されました。 エラー 2014/1/11 23:51
サーバ との接続は回復しました。 情報 2014/1/11 23:52
・1を構築します。
ストレージマネージャのボリューム管理タブで、作成ボタンを押します。
作成ボタン

いつものダイアログの後、
全てのサービスは一時的に停止します。続行しますか?

種類を選択します。
論理ボリュームの種類の選択

対象ドライブの選択など。
対象ドライブの選択

後は作成ボタンを押すと、処理が開始されます。

2014-01-11 23:48:50 [Mirror Disk Volume: Drive 1 2] Start initialization.
2014-01-11 23:53:01 [Mirror Disk Volume: Drive 1 2] Start formatting.
2014-01-12 00:00:23 [Mirror Disk Volume: Drive 1 2] Formatting completed.
2014-01-12 00:00:25 [Mirror Disk Volume: Drive 1 2] Start resyncing.
2014-01-12 00:00:31 [Mirror Disk Volume: Drive 1 2] Initialization completed.
2014-01-12 09:44:31 [Mirror Disk Volume: Drive 1 2] Resyncing done.
    =10時間

・3を拡張します。
ストレージマネージャのRAID管理タブで、論理ドライブを選択します。
論理ドライブの選択

アクションプルダウンから、ハードドライブの追加を選択します。
アクションプルダウン

対象ドライブの選択をします。
ドライブの選択

ドライブデータの削除の確認をされるので、OKを押します。
選択したハードドライブのデータをすべて消去します。続行しますか?

超長い処理が始まります。
拡張処理開始

2014-01-12 10:14:12 [RAID6 Disk Volume: Drive 5 6 7 8] Start to expand Raid Device: Add Drive 3.
2014-01-12 10:14:12 [RAID6 Disk Volume: Drive 5 6 7 8] Start to expand Raid Device: Add Drive 4.
2014-01-12 10:14:15 [RAID6 Disk Volume: Drive 5 6 7 8 3 4] Start rebuilding.
2014-01-13 22:31:32 [RAID6 Disk Volume: Drive 5 6 7 8 3 4] Rebuilding completed.
2014-01-13 23:31:18 [RAID6 Disk Volume: Drive 5 6 7 8 3 4] Expanding Raid Device completed. Drive 3 is added.
2014-01-13 23:31:19 [RAID6 Disk Volume: Drive 5 6 7 8 3 4] Expanding Raid Device completed. Drive 4 is added.
2014-01-13 23:31:19 [RAID6 Disk Volume: Drive 5 6 7 8 3 4] Expanding Raid Device completed.
    =37時間




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